行旅人(こうりょ人)

行旅人とは身寄り(身元の引きと取る家族や親類)がなく身元(氏名・本籍・住所)不明で身分を証明できるすべがない人を指し、その病人は行旅病人、亡くなれば行旅死亡人となります。

以前、お役所OBの方から行旅人について初めて伺った際「こうろ人」と言ってたので疑いもなくずっと「こうろ人」が正しいと思っていましたが、行路人(旅人や道行く人)と似ているため、混同して使われているに過ぎず、「こうりょ人」が正しいようです。

一般的には行方不明者や失踪者、ホームレスなどと呼んでいるが、行旅人と行政的に分類された定義の用語であり、一般には馴染みが薄い性質かも知れなません。

捜索願い届け

行方不明者を探すための捜索願い届けはコンスタントに年間8万人を超え、統計では安否問わず何らかのカタチで9割は見つかるが、内1割の約8千人は見つかっておらず届出があるだけで1年間で8千人は行方知らずという事になる。尚、全国出身元不明の遺体が年間2万人発見され、減少傾向にある自殺者年間約2万人の中にもどちらかに含まれるケースもあるだろう。

例えば認知症で徘徊して迷子になって不幸にも息絶え、身元も判明せず捜索願いとも一致しなければ行旅人扱いになるし、またホームレスの方々の中にも将来的に行旅人(病人・死亡人)になってしまうケースも少なくないでしょう。

茨城県内ではホームレスっぽい人は見かけても完全無欠のホームレスさんは見かけませよね!?昭和の終り頃、水戸駅南の旧文化センター付近の橋の下でホームレスが生活していて、朝はスーツを着て出かける、複数人で生活していて中には女性も居る!との情報があり、興味本位で探しに行ったことがありますが残念ながらホームレスと遭遇することは出来ませんでした。

完全無欠のホームレス達発見!
平成に入ってからの話ですが、とある冬、都内に出張してひと仕事終わらせ宿泊先まで向かう山手線内でウカツにも爆睡!終点の品川で車掌さんに起こされた時にはバッグもスーツの内ポケットの財布も盗まれ無一文状態!!
交番に泣きつき事情を説明したところ、「お勧めは出来ないけれどついてきて下さい」と案内された場所は、、、地下のアーケード商店街、「ここなら雨風と寒さは凌げます。」と促されたものの、そこには新聞紙を敷いてダンボールに包まる多数のホームレスの方々!とても妥協できる場所ではない為、お巡りさんに1万円お借りしてタクシーで宿泊先に向かった経験があります。するとタクシーの運転手さんの話ではお金を貸してくれる警官など聞いた事がないと言ってました。不幸中の幸いだったのだと後から痛感しました、、、
それにもしてもアーケードで目にした30人以上のホームレスが寝泊りしている光景はインパクトがあって今でも忘れません。

行旅人に伴う行政の対応

明治32年制定と古い法律ですが、目的地までの最小限の交通費や食費等の援護金が定められているようです。また、行旅人が疾病している場合は円滑な救護、亡くなって行旅死亡人となった場合は当該役所が火葬及び埋葬する流れとなり、いわゆる無縁仏として扱われる。

一般的には知られてはいないが各市町村が運営する公営墓地の一角などにこうし行き場を無くした遺骨(無縁仏)を埋葬する供養墓などを設けているのが現状です。身元不明のいわゆる行旅死亡者は全国の身元不明者発生件数で触れたように残念ながら定期的に発生し、特に海や川、山林を有する市町村では発生率が高いのが現状なのです。