墓じまい事例(茨城県水戸市、日立市、高萩市、那珂市)

将来的に墓じまい(お墓の撤去、解体、お墓に眠るお遺骨の新たな供養方法を改新する)を考えているが手続きや手順が解らず先送りにしているケースも増えています。一言で墓じまいと言っても其々の事由や事情が必ずあります。将来的に検討なされている方の一つの参考となるよう、いくつかの墓じまい事例をご紹介(更新)致します。

墓じまい ケース①

水戸市共同墓地➡➡➡水戸市永代供養墓

墓じまいのお申込は2代続く祭祀継承者の実弟さまで、長男が亡くなり七回忌も済ませ、亡き兄の配偶者(長男の嫁)が墓守りを継ぎ、祭祀継承者になっているが、都心に住む嫁いだ娘の住居付近のマンションに移住し、現在の住まいも売り払い仏壇処分も合わせ墓じまいする最終結論に至ったとの事で、段取り打ち合わせは主に実の弟さんでした。

改葬許可申請 既に申し込み頂いた成就院永代供養墓の管理者に3名分の受け入れ証明印とサインを貰い共同墓地管理責任者に墓じまいの打診の上、改葬許可申請に署名を頂き、役所に3名分の改葬許可申請書提出(申請用紙に役所の許可印が押された書類が改葬許可証となる)

墓じまい工事が完了した後、住居のお仏壇を搬出、永代供養墓まで運搬。仏壇処分の前にお仏壇の魂抜き行を済ませ永代供養墓へ納骨(納骨法要)

墓じまい ケース②

日立市営霊園➡➡➡日立市営合葬墓

お墓の使用者は既に亡くなられ、既にこのお墓に埋葬されている。

何らかの理由で直系の継承者は継承せず県外に移転。

やむなく他家に嫁いだ娘がお墓の継承者(基本的な法律でに親族ではなく血のつながりがなくても誰でも「祭祀継承者」としては認められるが、各霊園の規約により三親等までの親族を条件とするなどの場合もある)

後に嫁いだ娘さん【新たな祭祀継承者】も亡くなり、継承手続きをしないまま長男(未婚、子供なし)さんが墓参を続けたが、そのご長男も亡くなりました。(ご健在の兄弟は嫁いでいるお姉さんと婿養子として家を出た弟、)

後に事情を知った婿養子で家を出た次男の弟さんが複雑な「墓じまい」の依頼主となりました。

整理を踏まえ、依頼主さんから見ると自分は婿に出た身なのだが、母方の祖父母が眠る墓じまいの主権者にならざるを得ないという事です。

「墓じまい」を敢行するにはお墓の使用者(祭祀継承者)の存在が必須条件のため、先ずは役所にて使用者名義を変更する手続きから始めたようですが、既に亡くなっている先代、そして墓に眠る先々代の手続きは容易ではないことが想像できますし、実際にかなりの時間と労力を費やしたそうです。

微力ながら墓じまいサポート開始 墓じまいの流れをご説明した上で当該役所にて合流待ち合わせ

環境衛生課に出向いて改葬許可申請(お墓に埋葬されている二つの骨壺を既に申し込んである同市営合葬墓に移動するためのもの)、今回は移動受け入れ先が同市営合葬墓であるため、管轄する市民課の受付も済ませます。

同時に墓地解体撤去工事にて霊園に入るため霊園一時使用許可申請を提出、合わせて既存墓地から遺骨を取りだす日、及び合葬式墓地に納骨する日を決定させる。

一定の手続きを済ませ、既存墓地に向かいお線香とお花を手向け、簡素化した閉眼供養を済ませる。

※お墓に埋葬した骨壺の中の遺骨は湿気によりほぼ100%水分を含んでいるため、有償にて預骨(お遺骨を一時お預かりしてしっかり乾燥、骨壺は処分して役所で預かった合葬墓専用袋に入れ替え納骨日に返却。ブロックの塀は解体が容易なのですが、カロート(納骨室)周辺はコンクリートの塊になっているケースが多く、解体には手間と時間が掛かります。

墓じまい工事完了(完了写真を添付報告) 

立会検査(役所立ち合いの元、工事の完了の検査)  

合葬墓にて待ち合わせ 花とお線香を手向け納骨  墓じまい完了

墓じまい ケース③

高萩市営霊園➡➡➡手元供養

高萩市営霊園に既に先代が敷地を購入し納骨室と大谷石による囲障(外柵工事)があるが、敷地が広いため除草も大変で、将来的にも手元供養や合葬式墓地を選択する方向で遠方に住む長男(跡継ぎ)とも話し合いが済んでいるとのこと。

遺骨は無いため、墓じまい(墓地解体撤去工事)するための霊園一時使用許可申請手続きを済ませてから工事に入る。(大谷石の材質はもろいため解体は容易だが、もろいため再利用ができないため処分費用は割高なのです)

工事中、別居の次男から解体撤去はしても敷地の返却については家族間で今一度考えたいとの申し出があり、最終的に敷地は返却せず(年間の管理料を継続支払いする限り使用権はあります)

墓じまい ケース④

那珂市の寺墓地一画の墓じまい。

先代から寺院への貢献度も信頼もあったことが伺える間口7.2mもある大きな墓所なのですが、仲の良いご兄弟2軒で納骨室も一つだったため、三代目(孫の代)にあたる一軒(本家筋)がこのお墓から出る選択をして水戸の成就院永代供養墓に改葬(お墓の引っ越し)約3/1を寺に返却して階段や外柵を切削してリフォームする極めて稀な墓じまいケース。

実は兄弟など近い縁者でお墓を一緒に造るケースが平成の初めごろから中頃までのいわゆるお墓ブームに費用も敷地も有効活用できると流行った時期があります。しかし、代が二代、三代と代わるにつれ、価値観や考え方も異なり、当時の仲の良い関係を維持することは決して容易なことではないのです。

例えば片方一軒が先の震災でダメージを受けたお墓をリフォームしたい。海洋散骨にしたい。子供はいるが既に嫁いで将来的に墓守りをする人が居ない。代替わりして没交渉(疎遠)で今は付き合いがない等など如何なる理由に於いても一緒にお墓を使っているもう一軒の相手方に相談せねば話が進まず、揉め事に発展するケースもあるのです。

超少子高齢化の歯止めが掛からない時代背景から今後は決して稀なケースとは言えない事例です。

以上、墓じまい事例をご紹介しましたが、今後も特殊な事例があれば参考資料となるよう更新予定です。

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