しめ縄(注連縄・七五三縄・標縄・〆縄)

注連縄、標縄、七五三縄、〆縄など、しめ縄の熟字訓やあて字は様々ですが、しめ縄に関心のある方しか読めませんよね〜

注連縄

注連(ちゅうれん)とは、中国の葬儀に於いて、清めた縄を垂らして結界をつくり、故人の霊が迷って戻ることのないようにする古くから伝わる風習が語源のようです。地域差もありますが、茨城県の葬式でも出棺の際、竹で編んだ笊(ざる)を転がす「笊転がし」や、霊柩車に棺を載せる前に3周回す「棺まわし」と同じ風習ですね〜。

七五三縄

七(天神七代)国常立尊、国狭槌
常尊、豊斟渟尊、泥土煮尊、沙土煮尊、大戸之道尊、大苫辺尊、面足尊、惶根尊、イザナギノミコト、イザナミノミコトの七代の神を指します。

五(地神五代)天照大神、天之忍穂耳命、瓊瓊杵尊、火折尊、ウガヤフキアエズノミコトの5柱の神々

三(日向三代)地神五代である瓊瓊杵尊、火折尊、ウガヤフキアエズノミコトの3柱の神々

其々の神々をしめ縄の右側から7本、5本、3本の藁に表し、しめ縄に吊るしたことが語源なのだそうです。

標縄

万葉集に標縄(しめなは)の表記があり、標は「しるす」の他にも占めるの意味もあり、縄が神域との結界を示しているとも伝わっています。

しめ縄の歴史には諸説あるようですが、一説には天武天皇が編さんを命じたとされる歴史書「日本書紀」にも記載があり、日本最古の和歌集である万葉集にも登場するほど歴史は深いそうですよ〜。

有名な注連縄

大しめ縄で最も有名な出雲大社(いずもおおやしろ)ですが、実は本殿ではなく、神楽殿の入り口にしめ縄が掛けられていて、長さは約13ⅿ、重さはなんと5.2tもあります。他にも伊勢の夫婦岩にも注連縄が張られ印象的ですが、2018年の台風20号の影響ですべての注連縄がちぎれてしまいましたが、翌日には岩の間に縄ならぬ虹が架かかる奇跡もありました。また神社から海に一直線に繋がる参道でも有名な福岡の宮地嶽神社にも国内最大級と称される大注連縄が掛けられています。

紙垂(しで)

注連縄には必需品である紙のひらひらを紙垂(しで)と呼び、こちらも古事記に標縄標(しめなは)と共に表記があり、伝承されています。神社以外にもご神体とされる巨木や巨岩などにもしめ縄、紙垂が掛けられ、神聖な雰囲気を醸し出していますよね~。茨城県の北部だけかもしれませんが、お墓の開眼式で仏式ではなく神葬祭式で執り行うケースもあるのですが墓所に竹を4本刺し、縄を貼り例のヒラヒラを縄に挟んで垂らし、紙垂(しで)をセットした記憶がありますが、紙垂は他にも掻垂(かいだれ)とも呼ぶそうで当時、神職からは紙垂でも掻垂でもなく「かきだれ」と教えていただきましたが、掻垂はかきだれとも読めますよね?そんなワケでずっとカキダレだと今でも信じ込んでいます。

最も身近な注連縄が家庭用の正月しめ飾りになると思いますが、昔はマイカーの正面にもしめ飾りを飾っていた時代がありました。