幻の銘石 泥かぶり

通称「泥かぶり」と呼ばれる石材をご存知ですか?

まるでゲゲゲの鬼太郎の脇役妖怪のようなネーミングの石材ですが宮城県の大蔵山でしか産出されない銘石で、大蔵山でも幅20Ⅿ厚さ10M長さが2㎞の地層から3M弱の柱状または玉石状で埋もれているしか良質な石材が採掘できない希少な石なのです。

泥かぶりのネーミングの由来は墓石などに用いられる石材もチョコレート色(ベターチョコではなくミルクチョコレート色)なのですが、採掘される際に泥が付着していることがホントの理由のようです。

正式名は伊達冠石と呼び、墓石の他にモニュメントなどにも用いられ、著名な彫刻家が使用したことにより知名度は増しました。

この伊達冠石には不思議な特徴があり、切り出して研磨作業が終わると安山岩特有の灰色で同じく銘石である小松石や山崎石に近い色合いなのですが、2〜3年経過し外気にさらされると石に含まれる鉄の成分が酸化してサビ色が出てやがてチョコレート色に落ち着くのです。 

既に建てられた墓石をリフォーム(震災のため墓石に傷がつき磨き直し)した経験がありますが、出来上がるとホントに元の石材なのか不安になる程色合いが違うのです。 ※上が施工直後 下が現在

全く石に興味がない方でも茶色のモニュメントや墓石を見つけたら泥かぶり(伊達冠石)にほぼ間違いないと思います。

画像左:神戸市須磨区西須磨「与謝野蕪村 句碑」

画像右:和型墓石

※タイトル画像はゲゲゲの鬼太郎に登場した妖怪ではなく、帰ってきたウルトラマンに登場するヘドロ怪獣ザザーンです、