畳のへり(縁紋)

すっかり目にする機会が減った畳は床や絨毯などの外来種の侵略により絶滅品種的に減り続ける日本の伝統文化のひとつではないでしょうか?

ところで畳のへりを踏んではいけません!
と注意されたり教わったことありますか?

恥ずかしながら私はありません、ないどころか聞いた事もなく、知ったのはごく最近テレビの情報番組で知りました。

それはそうと画像の葵の御紋入の畳のへり画像、貴重だと思いませんか?


あの徳川慶喜が幼少期学び幕末には謹慎した場所でも知られる藩校弘道館‹a›の一部屋でパシャリ!

畳のヘリを踏んではいけないマナー?を50年以上も知らずに過ごしましたのであらためて なぜ畳のヘリを踏んではいけないのか開き直り的に徹底検証してみたいと思います。

畳のヘリを踏んではいけない諸説

諸説 其の一

畳のへりに家紋を入れる縁紋を踏むことは、その家のご先祖さまの顔を踏むことと同じとされ失礼にあたるので畳のへりを踏まないことが武家のたしなみ だとの説

それほど格式を重んじる家紋ならなぜ踏まれやすい畳のへりに入れるのか?それこそリスクヘッジ危機管理に問題があるのではないか?

諸説 其の二

忍びの者に命を狙われないため、畳のすき間から刀や槍で刺されないないように、との説

高床式倉庫は学校でも習いましたが忍びの者が存在する時代に刀や槍を自在に操れる空間がホントにあったのか?疑問です。

諸説 其の三

畳のへりで躓いて転ばないように、との説

一理ある?かも知れませんが転んでしまうくらいの段差がある畳なら早めに補修すべきでは?・・・

諸説 其の四

畳を傷めないようにするため、との説

これも一理ありますが畳の面より先に極端にへりが痛むとは考えられません。

以上、多少あまのじゃく的な検証ではありましたが確固たる根拠は謎でさほど気にするような所作ではない気がます!がしかし家紋や美しい紋様が入ったものを足で踏むことは誰しも抵抗があることと思います。その抵抗こそが日本人の慎ましい振る舞いなのかも知れませんよね?

結果的に同じ理由なのですが、お墓の設計では参道や手を合わせるスペースに実用的な「滑り止め」加工を施すことが多くありますが、その滑り止め加工にお花等のデザインをあしらう事をご提案していた時期がありますが、蓮花のデザインを提案した際施主様に「お花、ましてや仏教のシンボルでもある蓮を踏みつけるのは抵抗がある。」と諭され、ごもっともな意見だと尊重、反省致しました経験があり、それ以降お花のデザイン加工をご提案することは一切なくなりました。

 

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弘道館は旧水戸藩第九代徳川藩主 徳川斉昭が藩政改革の一環で文武・精神を養う場として今から約170年前に建てられた藩校で明治維新の当時の部屋・畳では当時のままではありません。
また、明治維新(戊辰戦争)のゴタゴタでは後に弘道館戦争と名付けられ、太平洋戦争に於いても水戸空襲では焼夷弾、海岸からの保護艦砲射撃の打撃を受け、また東日本大震災でも被災しました。

歴史証人でもある弘道館は平成26年に全面復旧工事を終え翌年文化庁認定「日本遺産」に選ばれました。

希少で貴重な葵の御紋の縁紋、是非とも弘道館に足を運んだらチェックしてみてください。!(^^)!