陸尺・六尺(ろくしゃく)六道(ろくどう)さん《埋葬の歴史》

かつて埋葬方法が土葬だった時代に棺を担ぎ、棺を埋める穴(墓穴)を掘る役目を担う係を陸尺・六尺(ろくしゃくさん)、六道(ろくどうさん)と呼ぶ風習が茨城県にはありました。

仕事柄、陸尺・六道システムをかろうじて理解できますが実際に土葬式埋葬の現場を見た事もありませんし火葬式埋葬に変わってからの葬儀で「組」組内(町内会)の方々がタスキを掛けて葬儀・埋葬の段取りを仕切っていた記憶が微かにあるのみですが今思えばあの方たちが陸尺・六道さんと呼ばれる役割だったのでしょう。

50代半ばの私が陸尺・ろくどうさんをかろうじて知っているという事は地域差があるにしても現在40代の方々はほぼ陸尺システムを知らないだろうと思います。

また、陸尺・六道でネット検索しても情報が乏しく、この呼び名は茨城県特有である事に気づかされ私も驚いています。

知る範囲と憶測でしか記事を書けませんが「陸尺・六尺」とは駕籠(乗り物)や棺を担ぐ役を差し、あまり身分の高くない者の仕事とされていたようです。

今や格差が減り総中流時代と言われていますが、当時は人がやりたくない仕事を身分の高くない者に押しつけていたのかも知れません、しかし時代も変わり格差が減ると頼める人も居らず組内(相合扶助システム)では当番制にして葬儀や埋葬のサポートをするようになったと推測できます。

何れにせよ土葬文化の葬送は容易ではなかったと思いますし特に墓穴掘り(地表から6尺(約1,8M)掘り下げ棺を埋葬)は労力のいる仕事でしょうね〜。

私の知る限りでは平成13年に県北の山間部で土葬式埋葬を行った情報を最後にそれ以降土葬式埋葬を行った情報はありませんが、土葬文化から火葬文化が定着すると葬儀の簡素化が進み、自宅にて葬儀を執り行うスタイルから葬式はセレモニーホールなどの施設を利用する方式が一般的となりました。

(葬儀の簡素化 家族葬)

近年、地域社会のおつき合いや義理ごとを簡素化する風潮もあり、葬儀も近親者のみの家族葬で済ませるスタイルも増え、納骨も身内で済ませたとの話も聞いたことがあります。

焼骨を収めた骨壷を納骨スペースに納める埋葬形式になった現代では陸尺さんの役目は皆無となり、陸尺システムを廃止する地域も増えています、土葬式埋葬との比ではありませんが土葬思想の名残で地下に納骨スペースを設けた初期の納骨室付のお墓は重い蓋をバールでこじ開けなければ納骨できない仕組みなので埋葬の簡略化も進む現代では親族のみでも開閉可能な納骨スペースに改良するか有償で葬儀社に依頼するかがかつての六道さんに変わっての選択肢となります。