墓じまい(基礎解体撤去工事)

基礎解体撤去工事

基礎解体は墓じまい工事の中でも、いちばん厄介で難儀な仕事と言っても過言ではありません。

ベタ基礎と布(帯)基礎

ベタ基礎(底面全体を鉄筋コンクリートで覆う基礎工法)

※ベタ基礎工法(鉄筋コンクリート製)等の強固な基礎解体は解体手間に時間を要し、運搬費も処分費も嵩むため、平米単価/2万円の追加費用が発生します。

墓じまいを検討なされている方は、石碑の裏側に建之彫り(建墓した年数と建て主名)が刻まれているケースが多いため、平成5年以降、特に化粧砂利ではなく、石材製の敷石を前面に張ってある墓所は「ベタ基礎」の可能性が高いので、基礎解体の追加料金にはご注意ください。

 

布基礎

(本来は逆T字型に地中深く埋め込む)

 

●住宅施工の場合は、建築基準法にて施工基準が定められていますが、お墓の工事では施工基準が無いため、鉄筋の太さやピッチ(配筋幅)なども業者によりまちまちで、言わば住宅施工を真似た基礎でしかありません。

昭和の時代(後期)にお墓ブームが到来して、石塔のみならず入口に不要な門柱や外柵と言われる石材の囲いを造る墓所工事が増え、高さも重量も増えたため、地盤を強化するために平成5年前後から布基礎もどきの基礎工法からベタ基礎工法を導入し始め、現在ではベタ基礎工法もどきが主流となっています。

実際問題として住宅と異なり、お墓は山中や湿地帯など居住空間から離れた場所に多いため、その場所に適合した基礎工法を選択することがベターで、必ずしもベタ基礎が最強最適とは言えません。

戦後からお墓文化の流れ

お墓文化は戦後、経済復興の元で国がインフラ整備を進め都市開発上、ある意味邪魔な存在の昔ながらの墓地を移転までさせて道路や団地など居住地を開発しました。共同墓地へと集約される時期と土葬埋葬から火葬式の転換期が相まって建墓する需要が倍増し、同時に石材店も一気に増えて笠間はかつてない賑わいをみせ、ピーク時には外車のベンツとBMWの購入保有台数が日本一になったほど浮かれた時代がありました。

「お墓自慢」と揶揄されるほど競うように高額な墓石が飛ぶように売れた時代もありましたが、平成の時代には少子高齢化が現実となり平成の中頃には霊園開発も先が見えはじめ平成後期にはお墓の需要も激減し、「お墓を造る一択」から永代供養や海洋散骨(樹木葬)などの選択肢も増えました。 自慢するほどの立派なお墓を建てても少子化の影響から代々継承してゆくことが難い時代になり、お墓を維持することも難儀で大変な時代になってしまったのです。

お葬式文化も家でご近所総出して行った時代から立派なホール葬時代を経て、今や家族葬(一日葬・直葬)など、こじんまりとした葬儀が主流となりつつあるよう、お墓文化のみならず時代背景に沿って何事も変化してゆくのが世の常でありごく自然な摂理とも言えます。

立派なお墓を造って子孫繁栄を願って代々継承してゆくことは揺るぎなく理想的だと今でも信じて疑いません。しかし、後継者(祭祀継承者)の存在や、何らかの事情で後継しない事実が判明した時点で今あるお墓やお墓に眠る親族の遺骨(ご先祖様の遺骨)の移転先や方向性は身内でしっかり話し合い決定することは大切であり、先延ばしにできる問題では決してないのです。