墓(はか)

今回のテーマはシンプルに「墓」(はか)、、、かなりざっくりしていますが先ずはお墓の「墓」という漢字の疑問です。

暮らしの「暮」の漢字ってかなり似てますよね、、、
そう言えば会社員時代の同僚が「お墓」を「お暮」と誤って書いていたことを思い出しました。

似ているから仕方ありませんが、墓石販売業としては如何なものでしょうか、、、(笑)
「暮らし」と「お墓」、まさに生と死のように対照的な気もしますが、「暮」にも日暮れやお歳暮など終末的な意味合いを含んでいますよね、、、

一説には夜に灯りのない時代に日が暮れて暗くなる迄の生活行動を暮らしと言うのだとか、、、
一方「お墓」はお陽さまが草むらに沈みゆく様を表し、土で隠す、土で覆い葬る意味があるそうです。

日本のお墓の歴史は明確にはわかっていないようですが、青森県の三内丸山遺跡に土坑墓(どごうぼ)と呼ばれる楕円形の墓穴が発掘されていることから旧石器時代(縄文時代初期、中期)だと推測されているようです。

塚や墳も墓に深く関連性がありますが、「塚」とは土を小高く盛り上げた築いた墓とあり、「墳」もまた土を高く盛った墓場とあります。

「土饅頭」(どまんじゅう)という言葉を聞いたことがあるでしょうか、、、

土饅頭とは土を小高く盛り上げ、小石を積み上げたり花とお線香を手向けたりする土の下に眠る屍(しかばね)ことを示す墓標の役割をする土のお墓の事です。

時代劇などで土を盛ったお墓に手を合わせるワンシーンを見かけますよね、、、その土盛りがまさに土饅頭です。

何故に小高い土の塚を土饅頭と呼んだのかは謎ですが、土の饅頭を形容するものではなく饅頭のように中に入っているものを尊重する表現なのではないか?と考えます。

今でこそ土饅頭を目にすることは少なくなりましたが、今でも各地に点在するいわゆる共同墓地には僅かに土まんじゅうのお墓が現存しています。

共同墓地は寺墓地や公営・民営の霊園と異なり墓地管理が行き届いていないケースも多く、誰が眠っているのか誰が管理しているのかわからないお墓が手のつけようのない状態で僅かながら残っていることがあるからです。

昭和を生きた方であれば飼い犬などが死ぬと裏山に穴を掘って埋め、そこに小高い塚を盛り、そこに木枝を刺したり石を置いたりしてお墓のしるしを作った話を聞いたり実際に作った方も少なくなくないと思います。

お墓のルーツとはそのようなものなのかも知れませんね。

墓、塚、墳、陵などは全てに「土」が含まれ、古来よりやはり大地が墓であり、人はいつか土に眠るのでしょう。