お墓の古銭

お墓の仕事をしていると墓地内や墓石の間などによく古銭を見つけることがあります。

この硬貨は葬儀の儀式の一つのまき銭、埋葬する際に棺に収めた冥銭等の風習の名残りだと考えられます。

三途の川の渡り賃が六文(現在の価値にすると300円程度)だったとされ、古くから故人が旅立つ際に冥銭を用意した習わしが今でも受継がれている地域もありますが、今ではお墓で現在使っている硬貨などは見当たらず、棺にも硬貨を入れることは禁止され地域によっては硬貨の代わりに金銭を模した冥銭を副葬品として棺の中に入れることもあるようです。

古銭と言えばご存知、戦国時代に六文銭(六連銭・六道銭)を旗印や家紋に用いた真田家は有名ですね。

死を恐れず立ち向かい戦える心、いつ死んでも良い覚悟の現れですね。

真田家の中でも真田幸村の名が断トツに有名ですが、資料や書物には幸村の名は一切存在せず、後に訪れた天下泰平の時代のヒーロー軍記など没後の創作が定説とされています。

一方、大坂夏の陣(天王寺の戦い)では、本丸以外の堀を埋められまさに背水の陣にて信繁は自ら「幸村」と名乗ったとされる説もあります。

信繁の兄である信幸は徳川家の忠誠、そして配慮から真田家の通字「幸」を返上 封印し、信幸と改名せざるを得ませんでした。

背水の陣だからこそ真田一族の誇りとして「幸」を使い、真田幸村を名乗り大坂の陣に散った・・・・

日ノ本一の兵 真田幸村

兵どもが夢のあと・・・

真相はわかりませんが六文銭を旗印にしてまでも命を張って貫く大儀は現代人には理解ではなくロマンでしかありませんよね。